2011.06.16
建長寺・・・(散策)
明月院の次は建長寺です。五山第一臨済宗で始まる大きな寺名碑が立っています。
バスの駐車スペースも確保されていて、沢山の観光バスが止まっていました。
建長5年(1253)北条時頼が蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)を開山として創建した、わが国最初の禅の専門道場です。
総門をくぐると、最初に勇壮な山門があり、「建長興国禅寺」の扁額が掛かっています。
山門をくぐると、白槙(ビャクシン)の巨木のある前庭を進み、仏殿があります。
仏殿の後ろには、法堂です。流石に、鎌倉五山の第一です。雄大で荘厳な建物です。
法堂の後ろには、右に庫裏、左には唐門と通称される勅使門があり、その中には方丈があります。
重要文化財の唐門は修理が終わり、2週間ほど前の5月30日に落慶法要が営まれたばかしで、眩いばかりに輝いています。今回の修理は、一年半近くを要し、ほぼ建立時の唐門を再現出来たとのことです。
この、唐門は、寛永5年(1628)に徳川秀忠の夫人「お江(ごう)」の霊屋(みたまや=現建長寺仏殿)の門として東京の増上寺に建立の後、1647年に仏殿とともに建長寺に移築されたものです。関東大震災の被害を受け、一度解体修理が行われて以来80余年、傷みが進み今回の修理となったものです。奇しくも今年の大河ドラマのヒロインが「お江」です。
唐門の右の通用門から、龍王殿(方丈)に入ります。方丈から見た唐門の後ろ側も輝いています。
なお、龍王殿は京都・般舟三昧院(はんしゅうざんまいいん)より昭和15年に移築されたもので、建物は享保17年(1732)の建立とのことです。
龍王殿の裏に回ってゆくと、蘸碧(さんぺき)池を中心とする庭園があります。開山大覚禅師(蘭渓道隆)の作で、創建当時よりあったとのことです。亀が一匹泳いでいるのが見えました。
帰りに、もう一度白槙の巨木を撮りました。もっとも大きな白槙です。開山の蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が中国から持ち帰った種子を、建長寺創建の際に蒔いたといわれ、神奈川の名木100選に選定されています。紫陽花も綺麗です。
最後に、国宝に指定されていて、関東一美しい梵鐘として知られ、音色が人の泣き声に似ているということから「夜泣き鐘」とも呼ばれている鐘楼を撮りました。
建長寺の梵鐘は、建長7年(1255)、関東の鋳物師の筆頭であった物部重光によって鋳造されたもので、総高208.8センチメートル、口径124.3センチメートル。平安時代の作風を踏襲していて、建長寺創建当時の貴重な遺品です。円覚寺の梵鐘とともに、昭和28年(1953)11月14日、国宝に指定されました。