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2013.04.20

二ヶ領用水の散策・・・(散策)

今日は、4月19日で、夕方には元の職場のOB連中による年2回の懇親会です。残念ながら昨日とうって変わって曇りで風も強く肌寒い天気ですが、少し早めに出かけて、以前より一度歩いてみたと思っていた二ヶ領用水(にかりょうようすい)を訪れました。
二ヶ領用水は、江戸期に農業用の用水路として造られた川崎市内を流れる人工河川で、当時の「稲毛領」と「川崎領」のふたつの領にまたがって造られたのでその名が付いています。南武線の稲田堤近傍の多摩川にある上河原堰と登戸近傍にある宿河原堰から取水していますが、今回は、距離が短い登戸近傍の宿河原堰から歩くことにしました。

南武線の登戸駅で降り、多摩川の土手に出て下流方面に進むと宿河原堰の取水口があります。
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取水口から進むと、かつての農業用水としての二ヶ領用水は、両岸に桜が植えられ水辺の遊歩道として整備され快適な場を作り出しています。用水路の流れの中には、たくさんの鯉が泳いでいます。用水路の全長に渡って鯉が見られました。

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既に桜の季節は終わり誰も歩いていませんが、桜の咲く季節は賑わったことでしょう。でも、桜の花は終わっても瑞々しい緑もまた心地よいものです。人が居ないのも静かで良いですね。
宿河原堤桜保存会の「桜」と書かれた立派な記念碑も立っていました。

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2Kmほど進むと、前方に東名高速が見えてきます。快適な遊歩道はここで終わりです。
徒然草の115段の宿河原の石碑が立っていましたが、調べると「宿河原」とは、今で言うホームレスが集まった場所を指す当時の一般名詞で、必ずしもこの地を指すものかは疑問のようです。

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東名高速を過ぎると、単なる都会地の中を流れる用水路の様相となりますが、250mほどで上河原堰から流れてきた用水が合流します。写真で、右からが宿河原堰からの流れで、左からが上河原堰からの流れです。
合流点から1.5Kmほど進むと、西から流れて直交する平瀬川の下をくぐるために、 ここで堰を設けて水を溜めています。二ヶ領用水の水は平瀬川の下を潜り抜け、余剰水は堰から流れ出て平瀬川に放流され、多摩川へと戻されています。

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さて、平瀬川をトンネルでくぐってきた二ヶ領用水の水は、円筒分水の中央からサイフォンの原理で噴出してきます。
2つの円筒の水路は、水面下でつながっており、中心の円筒の下部に噴出した水は流速を抑えられ緩やかに外側の円筒に導かれるようになっています。そしてもう1つの本来の重要な役割、正確な分水です。外側の円筒の 円の弧に沿って流れ出る水を、それぞれの弧の長さによって正確に分水して います。これにより、水の流量の増減があっても正確に分水の比率が保たれます。

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この分水設備は、多発していた水争いを解決しようと、多摩川右岸農業水利改良事務所長の平賀栄治氏の設計で昭和16年に完成されたもので、一挙に水争いが解決したとのことです。
ずいぶんと手の込んだ設備をつくったものですが、国の有形文化財にも指定されています。

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円筒分水から田園都市線の高津駅方面に向かう水路は、やはり桜の木が植えられた心地よい道で、途中で国道246号をくぐり、1Kmほどで高津駅に着きました。

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